和紙人形ミニチュア和紙人形|関節が動く人形、ジョイントの軸作り

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手足が動かせるドールのジョイントの最終案。たぶんこれが最善なんじゃないかな〜というところに辿り着きました。

なるべく既製品を取り入れたくないので、
人形関節用のボールジョイントや、
ぬいぐるみのジョイントは使いません。
人形の関節ジョイントのイメージ

串に刺さったお団子のようなシンプルな構造のジョイントを自作しました。

これまでに試してみたこと

前回は和紙の繊維やハンダを使って関節を繋いでみましたが、

  • 和紙(雲竜紙)の繊維 → 軸にするほどの強度はない
  • はんだ → 柔らかく扱いやすいけれど、曲げ伸ばしを繰り返した箇所は折れやすい

という問題点も。

前回の様子 ☞ 手足のジョイントが…!!ドールの関節の接続方法の見直し

子どものオモチャではないので、はんだでも強度は十分だとは思いつつも、最強を目指したいのでワイヤーの種類を変えてみることにしました。

ワイヤーの材質を考える

ワイヤーの両端を はんだで固定するので、ワイヤーの素材は はんだがくっつく金属でなければなりません。

100均で手に入りやすそうなワイヤーというと、銅・ステンレス・真鍮・アルミ・スチール(鋼)あたりでしょうか。

錆びにくいステンレスアルミのワイヤーは魅力的ですが、はんだ付けするには専用の はんだやフラックスが必要になります。

真鍮は、銅と亜鉛との合金。こちらも はんだ付けするには、ヤニ無しはんだと真鍮用のフラックスが必要です。

スチールも同様。

消去法でいくとはんだ付けできそうな金属といったら銅しかないという結論に至ったので、銅のワイヤーを採用してみることにします。

はんだ付けする

最低限必要なものはこんな感じ。

はんだ付けの道具
左側から、はんだごて・金属用のヤスリ・電子工作用はんだ・0.9ミリの銅線・ニッパー。
換気ができて、汚れにくいガス台の上で作業します。

※はんだ付けの時に出る白い煙は有害です。

まずは釘のような形のものを作りましょう。

銅線とはんだで作るジョイント軸

銅線は余裕を持って長めに切ります。

銅は熱伝導率が高いので、あっという間に熱くなります。直接触れないようにシワシワのティッシュなどでやけど対策。

はんだ付け中

銅線の端に、溶かしたはんだの小さな玉をくっつけます。キレイな球状のはんだが銅線の端にくっつくのが理想的ですが、わりと難しい…。ヤスリで削って整えればよいので大体でOK。

ヤスリで整形

銅線の先端が、小さな釘の頭みたいになりました。Tピンみたい。

両肩と胴体にはあらかじめ穴を開けています。

軸を通す穴あけ作業
穴開けに使っているのは、タミヤ クラフトツールシリーズ No.51 精密ピンバイスと、タミヤ クラフトツール 極細ドリル刃セット
0.8mmのドリル刃で穴を開けた後、ダイヤクラフト 極細DIAヤスリ 4本セット(1.5、1.2、1.0、0.8mm)のφ0.8mmの棒ヤスリで少し削ります。φ0.9mmの銅線をギリギリ通すことができて、関節の動きが固めになるように穴の大きさを調整しています。

手足がぶらぶら揺れるくらい関節の動きを柔らかくしたいときは、ジョイントに使うワイヤーの太さよりも大きい穴を開けると良いです。

この釘状の銅線に腕→胴体→腕を通したら、はみ出している部分を2mmくらい残して、銅線の不要な部分を切り落とします。

不要なジョイント軸の切断

0.9ミリの太さのワイヤーであれば普通の工作用ハサミでも切れますが、切断面が粗く、ハサミの刃もダメになるので薄刃のニッパーを使って切る方が良いです。

緊張感に満ちたはんだ付け。

コテが人形に触れてしまうとここまでの苦労が水の泡なので、先ほどよりも慎重に。

反対側もはんだ付け

はんだが水を弾くように銅線からこぼれ落ちることがあります。
原因のひとつには銅線(母材)の温度が低すぎること。母材もはんだも一定温度以上でないとくっつきません。コテをあてて銅線もしっかりと温めましょう。

とはいえ、やりすぎると和紙人形本体が焦げてしまいます。この作業はコツを掴むのに慣れが必要かもしれません。

ちなみにここで使っているのは、鉛入りのはんだ。
環境に優しい鉛フリーのはんだもありますが、普通のはんだよりも融点が高く人形が焦げやすくなってしまうため使いません。

はんだ付け完了

はんだ付けが終わって両腕が固定できました。

はんだで留めた部分が大きすぎるのでヤスリで削って形を整えます。はんだゴテの熱で和紙が焦げた部分は、上に和紙を貼りキレイにリペア。

手足を全て固定

手足を全て固定し終わりました。

よ〜くみると、銅線の赤銅色と、はんだの銀色が目玉焼きのようになっています。

ヤスリがけの直後は やたらと光沢がありますが、時間が経てば酸化していい具合に光沢が曇っていくはずです。

関節人形、自立の瞬間

足回りをあちこち調整して支えなしでも立ちました。変なポーズですが、自立できた瞬間は嬉しいです。

完成まで6割といったところでしょうか、髪の毛とスカートができたら完成です。

完成

立ったり座ったり、ポーズを変えられるのが楽しいところ。

はんだ付けは、なかなか思った通りにはいかないので、

改善の余地があるとするなら、フラックスを試してみる、または、はんだ付け前にワイヤーをヤスリがけしてみる、あたりでしょうか。

そうすればもっと作業しやすくなるかな?

気が向いたら試してみたいと思います!

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