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瀬戸内の浜辺で出会った、ひとつの貝殻

瀬戸内の穏やかな海。
静かな浜辺で釣りをしていたとき、ふと足元にあった貝殻を拾いました。
それは二枚貝の片割れに、フジツボがいくつかくっついた貝殻。
イエローパールのような、やさしい光をまとっています。
長い時間、波に揺られていたのでしょう。角は丸く取れ、静かな時間の積み重ねを感じさせました。

それを目にした瞬間、なぜか、子どもの頃に読んだ物語の記憶がよみがえりました。
サン=テグジュペリの『星の王子さま』を初めて読んだときの、あの静かで、どこか遠くへ連れていかれるような感覚。
それに、ほんの少しだけ似ていて…
星や旅を描いた世界が、頭の中にゆっくりと広がっていきました。
この感覚を、形にしてみよう、と。
そう思い、鉛筆を走らせます。
頭の中に広がった、星と旅のイメージ

今回のラフは、あえて細部まで決め込みませんでした。
ガチガチに計画を立てるより、手を動かしながら進む、気ままな旅のような製作にしたかったのです。
製作はいつも頭部から始めますが、今回は特に大きさのバランスに神経を使いました。
貝殻を景色(月面のような)として見立てるため、人形が大きすぎても小さすぎても成立しません。
等身、手足の長さや太さを何度も調整しながら、表現したい世界観を探りました。

散らばっている小さなパーツは、両手の指。
指先までが表現の道具です。
その人形の性格や静かな表情が、指先にも宿るよう意識して製作します。
服装と小物に込めた、静かな冒険心
服装は、ラフには描きませんでしたが、頭の中ではいくつかの案がありました。
海を意識したセーラー服、あるいは冒険を思わせるボーイスカウト風の服。
最終的に選んだのは、白の上下にワインレッドのスカーフ。
貝殻の色味に合わせ、白は外せませんでした。
髪は、重力を感じさせないエアリーな仕上がりに。
冒険の相棒として、小さな金色のコンパスを持たせました。

手に収まるサイズで、盤面の直径はおよそ3ミリ。
パソコンでデザインし、プリンターで出力。
表面をレジンコーティングし、それ以外はすべて紙で製作しています。
ラフ画の時点では貝殻を支える土台は、石粉粘土製か木材かの2案でしたが、
最終的にナチュラルな印象の強かった円柱の木材を選びました。
完成した作品が語る、静かな物語
完成した人形は、
どこか遠い惑星を旅しているような佇まいになりました。
貝殻の上に立つ姿は、
月面や小さな星の表面を思わせる風景の中に、
ひとり、そっと降り立った旅人のようでもあります。
スカーフは風になびかせず、身体に寄り添うように収めました。
冒険の高揚よりも、旅の途中にある静けさや集中を大切にしたかったからです。
勇敢で、静かで。
手にしたコンパスは、未来への道標でもあります。
忙しい日常の中で、
ふと立ち止まりたくなったとき、
静かな気持ちで眺めていただけたら嬉しいです。




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