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3つのリンゴを前に立ち止まる少女をモチーフにした和紙人形『はじめてのおつかい』の製作背景と細部のこだわりを紹介します。
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はじめてのおつかい、その少し手前の時間
彼女は今、少しだけ立ち止まっています。
りんごは1こ100円。
ママからもらったお小遣いは300円。
レジ袋は1枚10円。
買えるりんごは3つだけど袋に入れなきゃ持って帰れない。
となるとレジ袋を買うことになって、
りんごは2個しか買えない。
でも2個なら手に持って帰れるよね?
それなら袋はいらないか。
そしたらもう1こリンゴ買えるけど…
考えて、また考えて、少し戻って。
なかなか前に進めない、あの感じ。
こんなこと、日常の中で何度も繰り返している気がします。
〝はじめてのおつかい〟といえば、ドキドキやワクワク、泣き笑い。
けれどこの作品は、そこから少しだけ離れたところにある時間を形にしました。
うまく決められないこと。
同じところをぐるぐるしてしまうこと。
そんな瞬間に、ふと立ち止まっている小さな姿です。
3つのりんごが持つ意味
この作品の中で、ひとつの軸になっているのがリンゴです。

ベースは軽量粘土で成形し、真っ赤な和紙で包みました。
そのままだと少し平坦に見えてしまうため、上下のくぼみに透け感のある典具紙で黄緑色を差し込んでいます。ほんのわずかな色の変化ですが、瑞々しさが加わります。
靴ひももすべて和紙で製作しています。

細く切った和紙をこより状にして、ちいさな蝶々結びに。
とても単純な作業ですが、細さゆえにちぎれやすく、少し緊張する工程です。
削ぎ落としたことで残ったもの
製作の途中で、いくつかの要素を削りました。
当初は買い物バッグやポシェットなど、〝おつかい〟らしいアイテムを持たせていましたが、それらを取り除くことで、よりシンプルに、この子の中にある感情だけが残る形になりました。
〝はじめてのおつかい〟につきものの高揚感ではなく、静かに考え込んでいる時間。
この子は今、小さな頭で一生懸命考えながら、はじめての「選ぶ」ということに向き合っています。
迷って動けない時間や、決めたはずなのに戻ってしまう時間。
そんな時間も、そのまま置いておけたら。
この人形は、そんな誰しも経験したことのある、あの時間を優しく包み込む存在です。


大きさ/約13センチ
素 材/和紙・絵の具・レジン・粘土・木
この作品は、minne・Creemaにて販売・公開中です。
作品販売ページはこちら
→ minne https://minne.com/items/45304564
→ Creema https://www.creema.jp/item/20659222/detail
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