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冬休み、小学生の娘は祖父母の家に泊まりに出かけます。
家の中は、いつもより少し静かです。
初日は、何も変わらないように見えました。
けれど二、三日経つと、猫はいつもの子ども部屋を見に行き、少し大きな声で鳴いて、返事がないことを確かめるようになります。
心配しているのか、していないのか。
猫自身にも、たぶんはっきりした答えはありません。
ただ、 「いつもあった気配が、ない」
そのことに、少しだけ立ち止まった瞬間。
この行動を、長期休暇のたびに目にします。
子ども部屋の前にちょこんと座り、少しだけ小首を傾げているような姿。
その静かな捜索活動が、可愛くてたまらず、作品にせずにはいられませんでした。
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ラフから始まるイメージ

まずはラフスケッチから。
この時点では、猫の姿にするかどうかで迷っていました。
けれど最終的には、あえて猫らしい要素を入れず、人間の姿にすることに。
人間にはない思考や距離感、仕草を、人の形に映してみたかったからです。
どこか時空を超えた存在のように見えるよう、西洋のクラシックなドレスを着た女の子という設定にしました。
色選びとボディ製作

頭部の表情ができあがった段階で、髪色とドレスの色を考えます。
無数にある色の中から、
✔️ カーキグリーンのドレス × キャメルブラウンの髪
✔️ 紺色のドレス × ブロンドヘア
この2案に絞りました。
色が決まったら、再びボディ製作へ。
足の長さや太さを調整し、軽く足を組んだポーズも試します。

このポーズも捨てがたいなぁと思いつつも、当初の計画通り、まっすぐ立つ姿で整えていきました。
ドレスの組み立て
ボディが完成したら、ドレスを順に組み立てていきます。

まずは上半身。
着せるというより、和紙を貼り重ねて形を作っていきます。
……と、ここで予定変更。
散々悩んで選んだはずの二色はボツになり、最終的に選んだのはワインレッドのドレス。
悩んだ時間はなんだったのかと思いつつ(笑)、直感を信じて進めます。
続いて白いパニエ。
スカートにボリュームと、美しいシルエットを出すためのアンダースカートです。
その上に、裾がフリルになった赤いドレスを重ね、腕を取り付け、最後に襟部分を貼り、おさげ髪を接着しました。
土台と仕上げ

人形の土台は石粉粘土で形成し、市松模様に塗装。
色調は控えめにし、縁に一本だけゴールドのラインを入れました。
ワンポイントでゴールドを取り入れるのが好きなので、他の作品でもよく使う仕上げです。
箱まで含めて一つの作品

完成した人形を収める箱も手作りです。芯材の厚紙を、美しい洋紙で包みました。
使用したのは、ゴールドのプリントが入ったイタリアの洋紙。
人形の土台に入れたゴールドと呼応するよう、箱にも金の印刷柄を。
箱に収めて、ようやく完成です。




この作品について
この和紙人形は、「寂しい」「悲しい」といったはっきりした感情ではなく、
猫の『あれ?いないなあ。』という、静かな確認のしぐさを形にした作品です。
いつもそこにあった存在が見当たらないことに、少し遅れて気づく。
探し回るほどでもなく、何かを失ったと断定するわけでもない。
その曖昧な間と、立ち止まるような感覚に、猫らしさを感じました。
猫という存在が持つ、人間とは異なる時間の捉え方や距離感、感情と状況のあいだにある微妙な揺らぎを、あえて人間の姿の和紙人形として表現しています。
猫と暮らしたことのある方なら、きっと思い当たる場面があるのではないでしょうか。
この人形が、見る人それぞれの記憶や体験と重なり、『あれ?いないなあ。』という静かな気づきの瞬間をふと思い出すきっかけになれば嬉しく思います。
大きさ/約13センチ
素 材/和紙・石粉粘土・レジン
この作品は、minne・Creemaにて販売・公開中です。
作品販売ページはこちら
→ minne https://minne.com/items/44708017
→ Creema https://www.creema.jp/item/20319287/detail
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