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すべては小さな「兜」から始まりました

今回の作品のきっかけは、とても些細な発見でした。
ミニチュアの新聞紙を使って折った、小さな折り紙の兜。
それを見ていたとき、妙におしゃれに見えたのです。
「これ、5月人形っぽい作品にできるのでは?」
そう思ったところから、この作品の構想が始まりました。
ただし、普通の五月人形ではありません。
伝統的な「和の極み」の五月人形を、あえて超洋風の人形にしてみようという試みでした。
最初のイメージは、
・頭に兜をかぶった西洋風の男の子
・片目ウインク
・ご機嫌でおもちゃの木馬を引いている
というもの。
しかしこの構想は、製作を進めるうちに大きく変化していくことになります。
ラフスケッチは驚くほど雑
まず描いたのがこちらのラフスケッチ。

……ご覧の通りです。
正直に言うと、全然かわいくありません。
絵心があるとは言えないので、自分でも笑ってしまうレベルの雑さです。
ですが、このラフには大事な役割があります。
完成形を描くためではなく、アイデアを外に出すためのメモ。
ここから試行錯誤が始まります。
人形はいつも「顔」から始まる
私の人形製作は、ほとんどの場合顔から始まります。
顔の表情が決まると、作品の方向性が頭の中で「カチッ」と定まるからです。
今回は、片目をウインクしている表情。
少しおどけた雰囲気にしたかったので、そのイメージを意識しながら形を整えていきました。

この写真は、瞼のふちにまつ毛を貼っているところです。
和紙には長い繊維があるので、それを細く整形して使います。
感覚としては、つけまつ毛を付けているのとほとんど同じ。
なんじゃないかと想像しています。つけまつ毛をつけたことがありませんので。
小さな工程ですが、目元の印象が大きく変わる大事な作業です。
木馬問題
顔を作る合間に、もうひとつの重要なパーツを作りました。
それが 木馬。
最初は、すべて自分で描いた馬のイラストを元に作ろうと思っていました。
ですが。
これが思いのほか難しい。
というか、
単純に絵心がない。
木馬の完成度が低いと、作品全体の印象が崩れてしまいます。
そこで今回は、思い切ってAIに設計図を作ってもらうことにしました。

AIが作ってくれたのは、
いい塩梅にレトロな雰囲気の木馬。
ただし、そのままでは使いません。
・胴が少し長い
・目が大きすぎる
・装飾が少し過剰
など、気になる部分がありました。
そこで、
・画像データを編集
・立体化の段階でパーツを切り貼り
といった調整を重ねて、自分のイメージに近い木馬に仕立てていきました。
この木馬はまさに、AIと人の手の共同作品です。
どちらか片方だけでは生まれなかった形だと思います。
ピエロという存在
製作を進めるうちに、最初の構想だった「兜」は自然と消えていきました。
代わりに存在感を増してきたのが、ピエロという存在です。
ピエロに関する言葉には、どこか悲しみを含んだものが多い印象があります。
たとえばこんな言葉があります。
“The clown laughs so others don’t have to cry.”
「誰かが泣かなくて済むように、ピエロは笑う」
そしてもうひとつ。
“Behind every clown is a tear.”
「すべてのピエロの裏には涙がある」
19世紀ヨーロッパの芸術の中では、ピエロは単なる道化ではなく、人間の感情を象徴する存在として描かれることも多かったようです。
そうしたイメージに惹かれ、この人形も「ただ陽気なだけではないピエロ」として完成させたいと思うようになりました。
完成
こうして試行錯誤を重ねながら、作品は少しずつ形になっていきました。




大きさ/約13センチ
素 材/和紙・石粉粘土・レジン
最初は「五月人形を洋風にしてみよう」という軽い発想から始まった作品でしたが、製作を進めるうちに、
・ピエロという存在
・表情
・木馬というモチーフ
などが重なり合い、思っていた以上に深い作品になった気がします。
作品はいつも、作りながら意味が生まれていくものだなと改めて感じました。
おわりに
人形を作るとき、最初の構想通りに完成することはほとんどありません。
途中でアイデアが変わったり、まったく違う方向に進んだり。
でも、その寄り道こそが作品を面白くしてくれる気がしています。
今回のピエロも、最初のラフスケッチからはまったく想像できない姿になりました。
そういう変化も含めて、ものづくりの楽しさなのかもしれません。
この作品は、minne・Creemaにて販売・公開中です。
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→ minne https://minne.com/items/45061716
→ Creema https://www.creema.jp/item/20319287/detail
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